「楽しかった」が一番うれしい――鮨を通して広がる人との出会い
37年にわたり鮨の世界に身を置いてきた坂上親方には、「おいしい」と言われる以上にうれしい言葉があるという。
「『楽しかった』と言われるのが一番うれしいですね」と、その言葉に力をもらっている。
「食べ物自体は残らないですが、『どんな時に、誰と食べたか』という記憶は残るじゃないですか。その中で『楽しかった』と言っていただけるのは、その時間が充実していたということなので」と、その理由を明かし、目を細める。
料理そのものだけでなく、「誰と、どんな時間を過ごしたか」が記憶に残るのが「食の世界」だと、鮨職人としての思いをにじませる。
また、鮨店のカウンターは、人との出会いを通して「自分自身を成長させてくれる場所」でもあるという。
「普段会えないような方々との出会いが日々あるんです。そういう方たちとの会話を通して、人生観を学ばせてもらっている、という感覚があります」と、日々“学び”を続けている。
鮨を通じて人とつながり、その積み重ねが人生を豊かにしていく――。坂上親方は「そういう人とのつながりが、お寿司屋さんならではの魅力なのかなと思います」と、長年カウンターに立ち続けてきた中で感じた鮨の“持ち味”を、穏やかに語る。
鮨を通して生まれる出会いや成長――。川澄先生と坂上親方の言葉からは、技術だけではない“鮨アカデミー”の魅力が見えてきた。その魅力は、ドラマ『時すでにおスシ!?』で描かれる人と人との温かなつながりとも、重なっているようだ。














