患者とその血縁者の人生を支える
遺体に対する遺伝子検査を行う基準について、榛葉助教は次のように話します。

長崎大学法医学教室 榛葉賴子助教:「(長崎大学では)“死因が明らかではない若い方”は基本的に(遺伝子検査を)しよう、となります。若年で亡くなるようなご病気をお持ちだとしたら、その ごきょうだいなり、ご両親もまだ若いわけですよね。なので、《防げる死》があるんじゃないかなって」
この取り組みには、榛葉助教の産婦人科医としての目線も強く反映されています。
榛葉賴子助教:「例えば次のお子さんが生まれるときに、産婦人科医の先生と連携が取れる。遺伝子検査でこういう結果が出たので、今回の出産にあたって…ということを話すことができます」
事前に疾患の可能性を知り、臨床現場と連携し準備することで、《次の命を危機から守る》道筋ができるのです。
ある若者の死と遺族の「安心」
長崎県内で発生した、ある若者の突然死。解剖の結果、死因は大きな動脈が内側から裂けてしまったことでした。血管の壁の脆弱性が《遺伝的なもの》ではないかと疑った榛葉助教は、遺体の遺伝子検査を実施。
その結果、動脈の壁が弱くなる遺伝子が見つかりました。
この遺伝子が両親から遺伝したものであった場合、亡くなった若者のきょうだいも同じリスクを抱えている可能性があります。
そのため、榛葉助教は両親に遺伝子検査を依頼しました。
その結果、この疾患は“突然変異”によるもので、《遺伝性のものではない》ことが判明。きょうだいに同じリスクがないことが分かったのです。
通常、法医学医が遺族と直接やり取りを行うことはありません。しかし、正確な検査結果を伝えるため、榛葉助教は、県警の立会いのもと、遺族に説明を行いました。














