2022年秋から続く第8波は依然として終わりが見えない闘いとなっています。

11月に医療非常事態宣言が出される中、過去最多となる4328人が感染。確保病床使用率は一時7割を超え、医療現場を逼迫しました。

その後、減少に向かいますが、下げ止まり感がある中で、感染者は再び増加しています。

3年ぶりに行動制限のない年末年始。一方で、医療現場は対応に追われました。そして、今、インフルエンザとの同時流行が始まりつつあります。

松本市波田(はた)にある松本市立病院。

37のコロナ病床を持ち、診療の最前線に立ってきました。

2022年秋に始まった第8波。

11月には、受け入れ病床を上回る40人が入院しました。

患者の多くが高齢者で、スタッフは、懸命に治療とケアにあたります。

診療を終えた医師は、慎重にガウンを脱ぎ、手袋をつけたままで、消毒を繰り返します。

感染防止に細心の注意を怠りません。

そして、迎えた年末年始。

(発熱外来医師)「これから検査をさせて頂きますので、そのままお待ちください看護師がそちらに向かいますので」

3日までの6日間に発熱外来を受診した人は、1日あたりおよそ26人。

入院患者は、20人を下回る日もあり、落ち着いた状態を取り戻しました。

症状が回復し、退院していく患者の姿もありました。

(中村雅彦院長)「ピークのときには、発熱外来に60人前後の患者入院患者も多い時には40人を超えることもあったが12月の下旬から少し減少傾向になってきて、ピーク時の大体半分くらいに減少した年末年始の6日間でした」

しかし、迎えた新年。

中村院長のもとに、予想を超える報告が上がってきました。

4日の発熱外来の検査結果です。

「本当にびっくりしたんですね、休み明けというのもあるんですけど、発熱外来には63人の患者が見えてコロナ陽性の方が31人、インフルエンザ陽性の方が9人判明しました、私はコロナとインフルの同時流行が始まったと考えています」

その後、インフルエンザの陽性患者は、増えていないものの、県内が流行期に入ったとして、県などが感染対策の徹底を呼びかけています。


中村院長が最も警戒するのが、患者の重症化です。

「2年間インフル流行してないので皆さん抗体をもっていない、抗体を持ってないので今まで軽い症状で済んだインフルエンザも重症化するってことを考えておかないと今どんな診療体制を組むべきか考えているところ」

さらに、同時流行による医療体制のひっ迫も懸念しています。

「一つの医療機関でコロナとインフルの入院を両方持って見てくださいというのは大変なんですね、インフルとコロナもわけないといけないし逆に今のコロナの患者って結構高齢の方が入院されてるそこでインフルが流行ってしまうと高齢者の死亡率が高くなってしまうので」

年末年始の人の動きが、今後どう感染状況に影響していくのか?


中村院長は警戒感を持って推移を見守ります。

「1か月ぐらいは、非常に患者数が増えるのではと考えています、コロナインフルともにですね1か月は大変な時期が訪れるんじゃないかと考えています」