小泉総理「女性・女系天皇も認めるべき」その後事態が…

2001年、愛子さまが誕生。天皇陛下の妹・紀宮さま誕生以降、女子が9人連続で続いた状況もあり、小泉総理(当時)が設置した有識者会議は「女性・女系天皇を容認する」という報告書をとりまとめた。

総理も国会で明確に「女性天皇・女系天皇も認めるべきだと思います」と発言。保守層から大きな反発を受ける中、2006年1月にはそれを国会に提出すると表明。歴史が動くかに見えたが、その後、事態は大きく変わった。

2006年9月、皇室で41年ぶりの男子・悠仁さまが誕生。そうした事情も相まって(実際には懐妊発表ごろ)、総理は法案提出を断念した。以降、この議論は事実上ストップ。

変化が訪れたのが、2017年。上皇さま(当時天皇陛下)の退位を可能とした「退位特例法」が成立した。この時の付帯決議では、「安定的な皇位継承に向けて議論を進めること」が求められた。ただその後「まずは皇族の数自体を確保すべき」と「皇位継承」については棚上げに。そうした状況下で、議論が進まないまま時間が経過していたというのが、ここまでの流れだ。

もし今国会で皇室典範が改正されるとしても、あくまで前述の2つの案が中心になるとみられる。皇室典範1条(「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」)については、議論のテーブルにも上がっていない。

国民の考えはどうか。「女性が天皇になること」について4月、JNNが実施した世論調査がある。

▼賛成61% ▼反対8% ▼どちらとも言えない30%

「賛成」が「反対」の8倍近くあることや、国民の6割以上が女性天皇に賛成していることが分かる。一方、この世論調査は、個別の皇族を指すわけではないことも留意したい。例えば、賛成派の中には「悠仁さままでは決まりで、それ以降の女性について一般論で賛成」という考えの人もいるだろう。また、「女性天皇には賛成するが、女系天皇には反対」という枝分かれもある。よって、賛成の中にも様々な考え方があるのもたしかだ。

なぜ天皇は男性だけか。端的にいえば「現行法でそう決まっているから」。一方、その賛否はさておき、社会の変化にともなって「ルールを変更するか・しないか」国民的な熟慮が必要なのは間違いない。皇位継承問題は、いまの“皇族数確保”の議論が進んでいくほど、そして皇族方が年齢を重ねるほど、より重い問題として立ち現れる。

次のステップとして、衆参両院の議長らによって「立法府の総意」とりまとめが行われる。そして数回の会議を経たあと、政府が皇室典範改正案を国会に提出し、審議という流れになる。いずれにせよ、改正されれば近年例がない“歴史的変更”。政府や国会が今後どう動くか、改正のさらに先のフェーズでは何の議論に移るのか。緊張感をもって注目している。

(TBS社会部・宮内庁担当 岩永優樹)