ウクライナの要衝・マリウポリをめぐり、ロシア国防省がウクライナの部隊に対して、改めて日本時間の20日午後8時以降に投降するよう要求しました。
19日に撮影されたマリウポリのアゾフスタリ製鉄所。広さはおよそ11平方キロメートル、東京ドーム235個分でウクライナ側の部隊の拠点となっています。地下施設には・・・
子どもを含む市民ら1000人以上が避難しているとされています。
ポドリャク大統領府長官顧問は19日SNSで、ロシア軍がこの製鉄所で地下施設に攻撃が可能な「地下貫通弾を使っている」と主張。ウクライナの軍事組織「アゾフ連隊」の副隊長はウクライナのラジオ番組で、「製鉄所が襲撃され、ほぼ完全に破壊された。多くの人々ががれきの下敷きになっている」と話しました。
一方、ロシア国防省は19日、ウクライナ軍の部隊などに「武器を捨てたものは命を保証する」と投降を呼びかけました。しかし、投降に応じたものはいないとして、改めて、日本時間の20日午後8時以降に投降するよう要求しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「マリウポリは何の変化もなく、依然として厳しい状況だ」
ロイター通信によりますと、ウクライナの副首相がマリウポリから女性や子供を避難させるための人道回廊を設置することで合意した、と述べたということですが、具体的なことは明らかになっていません。
そのマリウポリについて、アメリカ国防総省は。
米国防総省 カービー報道官
「マリウポリは陥落すると見る人もいるが、我々はそうは見ていません。キーウだってチェルニヒウだって陥落しなかったし、ウクライナ側はマリウポリで戦いを続けています」
アメリカ国防総省のカービー報道官は、19日、マリウポリでの戦闘について、ウクライナ側の応戦が続いていて、ロシア軍は市を陥落させていないとの分析を改めて示しました。
また、国防総省の高官は、ロシア軍の現在の戦闘能力について。
米国防総省高官
「侵攻開始時点のおよそ75%だ」
ロシア軍は侵攻開始時点から戦闘能力が「75%程度」に低下していると明らかに。これは兵力や武器、航空機やミサイルなど、戦闘に必要なあらゆる要素を足し合わせた評価だとしています。
そしてこちらはウクライナ第2の都市、北東部ハルキウ。19日、ミサイル攻撃があり、ロイター通信によりますと少なくとも4人が死亡、16人がけがをしました。住宅街の路上には複数の遺体が見られ、住民は悲嘆に暮れています。
住民
「砲撃が始まり、みんな逃げた。戻って来たら年配の男性が亡くなっていた」
攻撃を受けたというマンションでは、窓ガラスが吹き飛び、家財道具が散乱していました。
住民
「9階に当たり、その階は完全に破壊されました。砲弾は貫通し火事にはなりませんでしたが、すべてを破壊していきました」
欧米の主要国や日本などは、19日、オンライン首脳会合を開催。ウクライナに対する支援やロシアに対する制裁の強化策を話し合いました。会合の後、アメリカのバイデン大統領は追加の砲撃兵器をウクライナに提供する意向を表明。
ロイター通信によりますと、イギリスのジョンソン首相やカナダのトルドー首相も砲撃兵器の支援を行う考えを示したということです。
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