■“格差を広げない”賃上げを!カギは「異次元の少子化対策」
井上キャスター:
いいサイクルで賃上げということを願うばかりですけれど、企業側として難しいだろうなと思うのは、これから先々、法人税の増税は多分あるだろうと。その中で、企業の固定費である人件費も上げてください、と言うのは簡単だけれども、それはまた難しいんだろうなという側面もあると思うんですよね。

萩谷弁護士:
企業が賃上げをする状況を作るのは、政治の役目。一部の大企業が賃上げを表明したことは良い兆しだと思うんですね。でも、コロナ禍で、企業も個人も格差がかなり大きくなって、潤うところは潤うが、打撃を受けるところはものすごく打撃を受けていて、この大企業の賃上げに、他が追随できるかというとまだまだ不透明だと思います。岸田総理の年頭会見の表明で、賃上げは何としても実現しなきゃいけない、そのための三位一体改革、「日本型職務給」の実現・確立を、というものを公表していましたが、高い給料を得る人材というのが、固定された一部の人たち、同質的な人たちにとどまってしまっては、格差が広がるだけ。教育格差だとか、教育費の予算の投入だとかを全体として考えて、賃上げに結び付けてほしいなと思いますね。
井上キャスター:
世界で見ると、いま日本は沈みゆくところにいる。なので、上げられる人をまず上げていくという考え方もあります。政府はそれをやろうとしている。でも、そうすると格差が広がるという指摘もある。
萩谷弁護士:
上げられる人というのは、自分で上がることができる。やはり自分の能力ではどうしようもなく、上がることができない人を上げていく必要があると思うんですね。日本では教育関連の費用が圧倒的に少ない。岸田総理は、“異次元の少子化対策”をすると言っていますけれど、2023年度の子供関連の予算は全然少ないので、その底上げは重要だと思います。