■岸田総理「インフレ率(物価上昇率)を超える賃上げの実現」は実現するのか?
井上貴博キャスター:
2022年末の円安の傾向が、遅れて今やってきていますので、当面は物価高が続くだろう。でも不透明なのが、円安がまだ続くのか、円高に振れてくれるのか、これがよくわからない。物価高が悪いかというとそうではなくて、給料が上がっていかない物価高が良くない。
萩谷麻衣子弁護士:
給料が上がっていかないと生活必需品を買うにあたって厳しくなってくると思うんですね。私なんかもスーパーに行くと物価高を感じる。毎朝、野菜ジュースを作っているのに、これまで2000円で払えるなっていうものが、3000円出さないと払えないってことになるので、どう実質的な賃上げをしていくのか、政府として環境を整えてほしいと思いますね。
ホランキャスター:
岸田総理は4日の会見の中で…

岸田総理(4日)「持続可能で格差の少ない、力強い成長の基盤をつくり上げる、“インフレ率を超える賃上げ”の実現をお願いしたい」
2022年度の物価上昇率(インフレ率)は最終的に、平均で2.76%上がるのではないかという試算があるんですね(ESPフォーキャスト調査より)。“インフレ率を超える賃上げ”ということになりますので、少なくとも2.76%、収入が上がらなければいけないわけなんです。
国税庁によりますと、平均年収443万円の世帯の場合、455万2268円にならないと、“インフレ率を超える賃上げ”というのは実現できないわけなんです。月に換算しますと、給料が1万189円アップしなければならないということなんですね。

賃上げはできそうなのか。経済界のトップはどう見ているのか。

三井不動産 菰田正信 社長「数字まで申し上げられないが、今までとはレベルの違う水準で賃上げをしたい」

大和証券グループ本社 中田誠司 社長「4%程度の賃上げを実施予定」

日本生命保険 筒井義信 会長「(賃上げの)率として7%、営業職員の処遇改善に取り組む」
このように、賃上げ実現していくという声はあるんですが、これが企業全体で行えるのかという点についてはまだまだ課題がありそうなんですね。
第一生命経済研究所 熊野英生 首席エコノミストに伺うと…

熊野氏「政府の想定通りに賃上げが実現できても、実感としては「マイナス」となる恐れ…」
専門家が注目するのは、ボーナスなどではなく、基本給がそもそも引き上げられるのかどうか、それがどの程度になるのか。さらに、中小企業の賃上げの実現というのは、複数年度遅れて実現するのではないか、という点。全体で見ると、まだまだ先は遠いのかもしれません。