気象庁の新しい長官に大林正典氏がきょう付で就任し、当面の最重要課題として、大雨をもたらす線状降水帯の予測精度の向上を挙げました。

大林正典 気象庁長官
「毎年のように発生する豪雨・台風災害を見ましても、線状降水帯や台風の進路・強度の予測技術を改善していくこと、これをしっかり前に進めることが最も重要な課題です」

きょう付で気象庁の新しい長官になった大林正典氏(60)は、就任記者会見で線状降水帯などの予測精度の向上を「喫緊の課題」に挙げました。

そのうえで、今年から整備に着手する気象衛星ひまわりの後継機に海上の水蒸気の分布を3次元で詳細に観測する機能を持たせるほか、数多くの研究機関との連携を一層強化することで最新の研究成果も取り込みながら予測精度向上を目指す考えを示しました。

また、今年は関東大震災からちょうど100年にあたることから、「あらためて地震への備えを再確認する年にしていただきたい」として、様々な機会を通じて地震や津波に備えるための普及啓発を行っていく考えを示しました。

大林長官は東京大学理学部卒で、1985年に気象庁に入庁後、おもに予報部門や観測部門を担当し、大気海洋部長を経て、去年4月から気象庁ナンバー3にあたる「気象防災監」を務めていました。