水俣病の公式確認から来月1日で70年です。鹿児島県と熊本県に住む7人が両県に対して水俣病患者として認めるよう求めた裁判の控訴審判決で、福岡高裁は23日、原告の訴えを棄却しました。
(記者)「不当判決の垂れ幕です」
この裁判は、鹿児島県と熊本県に水俣病の認定申請を棄却された出水市の女性1人を含む66歳から73歳の男女7人が、両県に対してそれぞれ水俣病と認めるよう求めたものです。
7人は水俣病が公式確認された1956年前後に不知火海沿岸で生まれ育ちました。チッソの工場排水のメチル水銀に汚染された魚介類を食べたことが原因で、手足のしびれといった水俣病特有の感覚障害を発症したなどと訴えています。
1審の熊本地裁は2022年の判決で、「原告が訴える症状は、他の疾患による可能性を否定できない」などとして原告の訴えを退けていましたが、これに対し、原告は不服として控訴していました。
23日の控訴審判決で福岡高裁は「水俣市やその周辺で生まれ育ったことで、ただちに濃厚なメチル水銀にさらされたとは推認できない」として、1審の判決を支持し、原告全員の訴えを棄却しました。
同様の裁判では先月、新潟地裁で、原告8人全員を水俣病に認定するよう新潟県と新潟市に対して命じる判決が言い渡されていて、裁判所の判断が分かれる形となりました。
原告の1人で、不知火海の沿岸で生まれ育ち、今は出水市で暮らす60代の女性です。首や肩の痛みなどに長年悩まされています。
(原告・鹿児島在住の女性)「被害者の人を馬鹿にするような判決内容で、一生懸命伝えてきた19年、そういう事実を全面否定して(福岡高裁の判決として)とても情けなかった」
原告側は上告する方針です。














