メーカー「供給体制の維持が極めて困難」現場で何が?

接着剤の供給現場は今どうなっているのか。

原料を石油化学メーカーなどから仕入れ、接着剤メーカーに販売しているのが商社だ。

ナフサから作られる原料の中で、「溶剤の調達が難しくなっている」と話す。

化学製品の商社
「接着剤に使われる溶剤が全然入ってきません。輸入で一生懸命かき集めて、前年と同じくらい出そうと努力していますが、難しい状況です」

接着剤メーカーにも取材すると…

接着剤を製造するA社
「原料に使う樹脂や溶剤の入荷が遅れていて、量も減っています。仕入れ先からは今後の出荷の見通しが立っていないと聞いていて、接着剤の製造に影響が出ています。原料の価格も上がっていて、このままでは会社の経営が厳しい」

別のメーカーからは「接着剤の需要が急増したため供給に支障が出ている」という声も聞かれた。

接着剤などを製造するB社
「直近の注文量が通常を大きく上回っているため、現状の供給体制を維持することが極めて困難な状況です。今後も製品の供給を継続し、より安定的にお届けするため、販売数量を制限しています」

経済産業省は「溶剤など原料の供給量は維持できている」と説明している。

経済産業省
「現場で接着剤が不足しているのは、接着剤が多種多様であり、一つ一つの市場規模が小さいため目詰まりしやすいことなどが理由と考えます」

その上で経産省は、接着剤の不足に関する相談が寄せられていて「対応を始めている」としている。

接着剤メーカーの業界団体によると、溶剤を使う接着剤は全体の4%。

現時点では全体として製造に大きな支障は出ていないとしながらも、今後の影響を心配している。

日本接着剤工業会 建設用接着剤協議会 秋本雅人 会長
「接着剤の業界としては、そこまで溶剤形の接着剤に頼ってはいない部分もあるから、(製造や供給の)全体が冷え込むことは今はないが。(原料の)供給がどこまで続くのか、どこまで価格が上がるのかというのが、業界としても一番不安定なところ。3.11(東日本大震災)のときに、いろんな物質が止まって、あのときにまだ救いがあったのは、海外に頼めた。『韓国品やアメリカ品を引っ張ってこよう』ということができたが、今回の場合はグローバルな話なので」

Q.今後接着剤を安定的に供給していくためには?

日本接着剤工業会 建設用接着剤協議会 秋本会長
「ともかく早く湾岸(危機を)解決してよって話ではあるが、パニックというか過度な取り引きで在庫を抱えることはご遠慮いただきたい」

町工場では別の懸念が…