「MS1R」は色の切り替えスイッチ

【図1】

MC1Rは、いわば体の色を切り替えるスイッチのような役割を持っています。

通常は、「α-MSH」というホルモンが働くとMC1Rがオンになり、黒い色素(ユーメラニン)が多く作られます。

一方で、「ASIP」という物質が働くとスイッチが弱まり、明るい色(フェオメラニン)が増えます。この仕組みによって、動物の体には模様や色の違いが生まれます。

強い黒色を生む遺伝子変化

これまでの研究で、MC1Rの特定の変化(遺伝子変異)が強い黒色を生むことが分かっています。

たとえばマウスやニワトリでは、たった1か所の変化によって、MC1Rが常にオンの状態(ずっとスイッチが入った状態)になります。その結果、黒い色素が作られ続け、全身が黒っぽくなります。

【図2】岡山地鶏のひよこ

【図2】の左は野生型、右が MC1R の 92 番目の グルタミン酸(E)がリシン(K)に置換された E92K 変異体です。

左の野生型は、【図1】のように、α-MSH やASIPが体のそれぞれの場所に応じてMC1Rに作用することで、黄色や黒の縞模様が形成されています。

いっぽう、右の黒いひよこでは、α-MSH やASIP の存在に依存せず,MC1Rが常に活性状態になっていることでユーメラニンのみが合成され続け、黒くなっています。