荒唐無稽だけどなぜか最後まで見てしまう「リブート」

影山 「リブート」(TBS)はいかがでした。

田幸 話題性では抜けていましたね。

影山 視聴率的にもそうでした。

田幸 設定はかなり荒唐無稽ですよね。みんな最初は荒唐無稽だと言っていたんですが、それでも見てしまう。次がどうなるか全然読めないんです。「そんなバカな」と言いながらも、多くの人が離脱せずに夢中になって最後まで見続けた。

設定の荒唐無稽さを払拭するには、やっぱりいい役者を置くことが一番だと痛感しました。無理のある設定やファンタジーや、いろいろなことを打ち消すには、もう鈴木亮平を置いておけばいいみたいな感じがありますね(笑)。鈴木さんのつくり込みの説得力、肉体表現はすばらしいと思います。

鈴木さんは体の使い方に長けていて、今回も松山ケンイチさんの立ち姿、歩き姿、ちょっとどんくさい走り姿を徹底的に分解して研究したそうです。(設定上、松山ケンイチ演じる人物が顔を変えて<リブートして>鈴木亮平演じる人物に成り代わる)

実は顔を変える前の松山さんのちょっと変な走り方も松山さん本来の走り方ではないんです。彼自身は陸上経験者なので、走り方はきれいなはずで、あの役柄だからあの動きをしていた。役づくりを徹底するいい役者が、多少無理のある設定を埋めてくれる。これはもう本当に鈴木さん、松山さんがいてこそでした。

倉田 盛り上がりではナンバーワンで、ハラハラドキドキがとまらない中毒性がある作品でした。

これは元の人物なのか、顔を変えた後の人物なのか見破ってやろうとするんですけれど見破れない。まんまとだまされてしまいましたが、実はこうだったとわかったときに、すごく気持ちがいい。

戸田恵梨香さん演じる人物も、実は別人が顔を変えた姿だったみたいに、次から次に本当に飽きさせない展開でした。エンターテインメントとはまさにこういう作品を言うんだなと。

影山 今のテレビドラマの傾向を一番ビビッドにつかんでいた作品でしたね。もう見ざるを得ないというか(笑)。