「いつ死刑執行か」 極度の緊張の日々
刑場がある福岡拘置所に移送されてから1年が経過した2015年、奥本死刑囚は極度の緊張にさらされながら自分が犯した罪と向き合っていた。
「いつ死刑が執行されてもおかしくないと感じています。特に朝はいつも緊張します。歯を磨いたりひげをそるときにこれが最後かなと思います。その日の面会が始まる時間になるとその緊張から解放されます。ああ、きょうは執行されなかったと感じる時間です」
3人の冥福を祈っての写経は1日も欠かしたことがない。自分が犯した罪から逃げないためである。
「3人を殺害した行為を思い出す時が一番の恐怖です。後悔と反省を深めるために何度も思い出しています。最後まで罪と向き合うこと。それが僕にできる唯一の償いだと思っています」
わずかな心の支えは「絵を描くこと」
償えない罪の重さの前に打ちひしがれながら、わずかながらでも心の支えとなっているのが絵を描くことだ。奥本死刑囚が描いたイラストを使ったカレンダーやうちわの売上金を被害者遺族であるAさんへの弁済に充てることができるからである。
「ご遺族に対しては言葉にするのが困難な謝罪の気持ちです。できることは何もありません。あるのは、被害を元通りにしたい気持ちだけです」
「絵を描くときは自分が奪った家族の命のことを思い浮かべていることが多いです。一緒に経験したかったことを考えています」

















