「まだ死刑決めないで」 遺族が異例の上申書
最高裁での審理が近づいていた2014年8月、奥本死刑囚の妻の弟、Aさん(当時20代)は一人悩んでいた。母、姉、甥の3人を殺害され、裁判では死刑を強く求めてきた。だが、二審判決後に奥本死刑囚と面会を重ねるにつれて、心境に少しずつ変化が訪れてきたという。
「奥本だけが悪いわけではない」。そう感じるようになったAさんは、重い決断に踏み切った。最高裁に「まだ死刑と決めないでほしい」とする異例の上申書を提出したのである。
「命は大切でとても重要なものです。それは奥本の命にしてもそうです。自分としては第一審の裁判員裁判をやり直してほしいと感じています」
しかし2014年10月、最高裁は奥本死刑囚に死刑判決を言い渡した。判決理由でAさんの上申書に言及することはなかった。

















