「本音が言えない性格」 死刑囚の素顔

奥本死刑囚との面会に向かう筆者 2013年 宮崎拘置支所

奥本死刑囚とはどのような人物なのか。2013年4月、筆者は一審と二審で死刑判決が出た後、最高裁に上告中だった奥本死刑囚のもとを訪ねた。

坊主頭にタンクトップ姿で面会室に現れたその男は、逮捕前の写真に比べ、ほおがこけていた。筆者にはごく普通の青年(当時25)にしか見えず、3人を殺害した凶悪犯のイメージとの乖離の大きさを感じさせられた。

奥本死刑囚と筆者 宮崎拘置支所 2013年

「僕は三人兄弟の長男で、小さいころから、我慢することが多かったんです。そして、いつの間にか、本音が言えない性格になっていました」

福岡県豊前市の山間の小さな村で生まれ育った奥本死刑囚は、小さいころから争い事が起きれば、自分から謝る性格だった。両親にとっては、素直で育てやすい子。学校や友人からは「いい子、いい人」と評価され、相談相手としても人望があったという。

「もっと義母と向き合って真剣に話をしたり、妻を交えて家族会議をしたりすれば、事件を防ぐことはできたかもしれません。何もかも自分一人で抱え込もうとし、懸命にやってきたつもりでした。でも、僕にはそんな能力や知識はなかったんです。そのことに気付いたときは、もう遅すぎました。自分がとても憎いです。あれだけのことをしてしまったのだから、やはり死ぬべきだとも思っています」