「仲間に会いたい」男性の決意

日下龍二郎さん(25)は、家族と一緒に小高から離れ、親せきがいる長崎県佐世保市に避難。長崎で中学、高校、大学に進み、いまは佐世保市にある劇団に所属して俳優として活躍しています。震災から15年が近づいてきた去年の秋、日下さんはあることを決意します。あの日まで一緒だった「大切な仲間に会いたい」という思いから。

日下龍二郎さん「福島で送るはずだった、この鳩原小学校で送るはずだった青春というか、そういうのを取り戻すじゃないですけど、僕らの宝物になるような時間にしたくて、そこで卒業式をやりたいなと」

呼びかけにどれだけ応じてくれるか心配だったという日下さんでしたが、当時のクラスメート全員に声をかけました。8人全員が、その「卒業式」に賛同しました。

みんなが集まったこの日、校庭で、男子はいつの間にか野球を始めていました。4年生だった15年前と同じように。

日下さん「約15年ぶりなんですよ、全員で揃うのが。けど15年ぶりと思えないぐらい、いつもと変わらずというか、それぞれありのままで」

15年越しの卒業式、それは8人にとってただ当時を懐かしむためではなく、時計の針をさらに進めるためのものでした。