人類は宇宙に住めるのか?疑似重力で大丈夫? 2人の見解がぶつかる

議論は「人類は宇宙に住めるか」という問いに至る。無重力=0Gの世界でも、人は人として生きていけるのか。宇宙に進んだ人類が革新的な存在となる「ニュータイプ」を描いた富野監督と、宇宙に技術面から向き合ってきた八坂名誉教授の見解がぶつかる。

山本:宇宙と人類の未来を考えたときに、宇宙で過ごすことの課題はなんでしょうか?

八坂:宇宙船やスペースシャトルまではいいかもしれないけれど、今の宇宙ステーションのような「0G(無重力)」の環境が、このまま存続するとは僕は考えられません。

宇宙に何回も行った宇宙飛行士の向井千秋さんに、「宇宙に行って学んだことで一番でかいことは何ですか?」と聞いたことがあるんです。

少し考えておられたので「ひょっとしたら、人間は宇宙に住めないってことじゃないですか?」と聞いたら、「そうです」と。

0Gでは体調を維持することができないので、一生懸命運動しなきゃいけない。本来なら研究とか他の活動に使える時間を、体のメンテナンスに注ぎ出さなければならないわけです。

だから、もし人が宇宙に住むのであれば、今の宇宙ステーション的なものではなく、遠心力などできちんと「1G」の重力が発生するような施設が今後必要になってくると思っています。技術的には可能ですが、富野監督は難しいとおっしゃるでしょうね。

富野:ガンダムレベルでも考えていったことで、遠心力などの疑似重力というもので重力を発生させるという話はわかります。だけど、その「疑似重力」というものが本当の重力なのかという話は、僕は決定的に信用していません。

疑似重力で発生しているものはあくまで「疑似」なんです。慣性運動で手に入れられる重力が、生体の反応として、血流や神経系の循環の問題を考えたら同一であるわけがないじゃないですか。

八坂:いや、完全に同一であるわけじゃないですけども、頭と足でGが少し違うといった面はあっても、0Gよりはよっぽどいいですよ。

富野:そんなの当たり前です!(笑)