日米首脳会談
外交面でも難しい舵取りが迫られる中、19日日米首脳会談が行われた。

<日米首脳会談>
▼中東地域の平和と安定に向け“日米間で緊密に意思疎通”
▼“対米投資第2弾 約11兆円の投資”(小型モジュール炉、天然ガス発電施設の建設)
▼南鳥島周辺海域の“レアアース開発協力”
▼米国産エネルギーの生産拡大協力
▼中国をめぐる諸課題について“日米で緊密に連携”
――ホルムズ海峡への艦船の派遣問題。高市総理は「法律上できることとできないことをきちんと説明した」というが、米側は何か求めてきたのか?あるいは今後何かを求められるのか?

ワシントン支局・涌井文晶支局長:
「会談非公開の部分でもトランプ大統領からすぐに艦船を出してくれというような直接的な言及はなかったようだ。またトランプ大統領は一夜明けた20日にFOXニュースの取材に対し『日本は憲法上の制約がある』と話していて、高市総理の発言にも耳を傾けた様子はうかがえる。ただその後、日本・中国・韓国・ヨーロッパを再び名指しして『ホルムズ海峡の警備にあたる必要がある』と強調した。トランプ政権は日本の海上自衛隊が機雷の掃海に非常に高い能力を持っていると認識していて、今後も機雷の掃海について日本への期待は引き続き高い」
――経済関連では対米投資80兆円枠の第2弾が決まった。今回もエネルギーと経済安保に焦点を当てたものが多かったようだ
涌井支局長:
「レアアース関連のサプライチェーン強化などは、もともと中国への対抗で今回の会談でのメインテーマになるはずだった。中国と向き合う上でレアアースの問題はアメリカ最大の弱点の一つ。中国依存度を下げる取り組みは日本がかなり先行しているので、日本と協力体制を作れるというのはアメリカ政府にとっても大きな成果だと捉えられている」
また、エネルギー関連の投資案件では「AIにより増大するアメリカの電力需要に対応する」という方向性で、需要はある一方で課題もあるという。

涌井支局長:
「今回案件に入ったSMR(小型モジュール炉:小型の核分裂炉で一般的な原子力発電所の出力が1基100万キロワット程度であるのに対し、SMRは30万キロワット以下で熱出力が1000MWth未満の炉。三菱重工が開発中)は、現在実用化されているものがない。日本の民間金融機関からは『普通に考えると融資できる案件ではない。これを前に進めるのか』という慎重論も出ていた。また投資の規模は第1・第2弾合わせて1000億ドルになったが、アメリカ企業が中心で日本企業はあまり前面には出てきていない。日本政府はかなり前のめりに進めているが、日本企業は少し引いているように見受けられ、官民の温度差が大きくなっていると感じる」
――アメリカの二転三転する関税政策については、高市総理は何も話さなかったようだが、その理由は?
涌井支局長:
「会談を終えた後の日本政府の説明でも、首脳間では関税については話題にしなかったということだ。既に赤沢大臣がラトニック商務長官に『去年の日米合意よりは不利にならないようにしてくれ』と申し入れていることもあり、日本としてはその反応を待っている状況。またトランプ大統領は相互関税の最高裁による違法判決に非常に強い怒りを持っている。話題を持ち出すだけで不機嫌になってしまって会談全体の流れに影響する懸念もあり『首脳間でわざわざ持ち出さなくてもいいのでは』という判断がされたようだ」
(BS-TBS『Bizスクエア』 2026年3月21日放送より)














