日銀は景気と物価どちらを重視?
一方日銀も19日、政策金利を現在の0.75%で据え置き、利上げを見送った。
植田総裁は「原油価格上昇に伴う“リスクシナリオが新たに登場した”」とし、原油高が物価にもたらす影響については上振れと下振れ、両方のリスクを指摘した。
植田和男総裁:(19日)
「原油高で景気に下押し圧力がかかり需給ギャップが悪化すれば、基調的な物価上昇率を下押しする要因となる。一方で、原油価格の上昇・円安が人々の中長期的な予想物価上昇に繋がれば、基調的な物価上昇率の押し上げに作用する」
その上で今回の会合では“上振れを警戒する委員が多かった”と述べた。

<日銀 植田総裁発言>
▼見通しが実現する可能性の確度が少し低下し、シナリオリスクが高まった
▼基調的な物価上昇率への影響は“上下双方向に変動しうる”
▼“上方リスクを重視したい”という方が多かった印象だ
――要は今の原油高が続くと景気を下押しする圧力もあるし、物価が上昇して基調物価を上げるという両方があり得ると。景気下押しと物価上昇のどちらを重視するかは『一概に言えない』と答えている。パウエル議長がインフレ警戒的なのに対し、植田総裁は両方見ている感じか

『ニッセイ基礎研究所』矢嶋康次さん:
「アメリカの場合はガソリン価格が問題だが、日本の場合は原油が入ってこないという問題が現実的に起こる。もう一つは、日本はアジアの中でサプライチェーンをものすごく組んでいるが、アジアも今同じ状況。部材が入ってこないことも考えられ、景気が下押しされる可能性をすごく警戒しているのではないか。そういう意味では、アメリカ以上に“価格+量の問題”というのをニュアンスとして出しているのだと思う」
『第一生命経済研究所』熊野英生さん:
「高市総理が利上げに慎重なので、日銀としても物価の上昇よりは景気が悪化する方に視点を置きながらと。私は4月末の決定会合では利上げすると思うが、そのためには高市さんという壁を突破しないといけない。『景気悪化について十分配慮しながら、でも円安が進みすぎないように行動する』ということをこれから伝えていくのだと思うが、日銀がここで物価上昇を抑える盾にならなければいけない。そういう局面だ」
――『物価上昇の上方リスクを重視したいという人が多かった印象だ』というのは、何かにじみ出したかったのだろう。日本の場合は原油価格の影響がアメリカよりも大きく出るだろうし、世界経済が悪くなったときも日本はダメージが大きい
矢嶋さん:
「ダメージが大きいが、一番の問題は誰に聞いても原油がいつ下がるかわからない。そうすると政策担当者は何もできない。ここが今最大の課題になっていると思う」














