終わらない応酬“泥沼化”懸念

上村キャスター:
アメリカ側は、出口戦略をどのように考えているのでしょうか。

涌井文晶 ワシントン支局長:
中々見えていないというのが現状です。イスラエルは長期戦も辞さないでイランの体制を徹底的に破壊したい考え方だと思います。一方でトランプ大統領の本音としては、「早く手を引きたい」と考えているはずです。泥沼化というシナリオを最も恐れています。

そのため、ミサイルで“中東の周辺国を攻撃する能力”や、“アメリカ軍基地を攻撃する能力”、“イランの核兵器開発能力”がなくなったというようなことをもって、アメリカは目的を達成したと言って近い将来一方的に勝利を宣言してアメリカが引き揚げるというシナリオがあるかもしれません。

ただ、それが本当に中東やイランの安定に繋がるのかは全く別問題です。アメリカが勝手に引き揚げてしまうというのは悪いシナリオになる可能性も十分にあります。

喜入キャスター:
仮に一方的な戦闘終結が宣言された場合、例えば、アメリカが日本に対して艦船の派遣など要求を突きつけてくる可能性はあるのでしょうか。

涌井文晶 ワシントン支局長:
戦闘が終わったとなれば、当然あると考えられます。アメリカは、「ホルムズ海峡の安定は、石油の輸入をしている日本や中国など、(中東に)石油を依存している国の責任であるべきだ」と主張していますので、戦闘が終わったとなれば、ますます日本に対して海上自衛隊の派遣などを求めてくることはあり得ると思います。

首脳会談で、日本は「協力する」という姿勢を示したわけですが、具体的な調整はこれからだと思われます。その中の調整が遅れるようなことがあれば、トランプ大統領からの圧力が高まるというシナリオは十分考えられます。

上村キャスター:
トランプ大統領は中間選挙の前に、今のうちにアメリカからの評価を上げたいという思惑がもちろんあると思います。アメリカ国内は依然としてイラン攻撃に反対の声の方が多いのでしょうか。

涌井文晶 ワシントン支局長:
今のところ世論調査でいうと、多くのものが「4割が賛成」「6割が反対」、保守系のFOXニュースでは半々ぐらいという感じです。

水準として聞くと、あまり低くない、それなりにあるなと感じるかもしれませんが、歴代のアメリカの対外介入の歴史から見ると、非常に低い水準です。

今後、ガソリン価格が上がり続けていくと、さらに支持率が落ちるということも考えられます。中間選挙を見据えて、トランプ大統領はなるべく早めに手を引きたいと考えているはずです。

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<プロフィール>
増尾 聡
JNN中東支局長
イランやイスラエル・パレスチナなど中東各地を取材