トランプ氏を前に 高市総理から「中東情勢」に触れたワケ

井上キャスター:
世界中が注目した会談ということで、緻密に作戦が練られていたようです。会談冒頭、中東情勢について高市総理が先に話題にしました。

日米首脳会談の冒頭 高市総理の発言
▼「いま中東情勢も含めて、世界中の安全保障環境が非常に厳しい状況」
▼「きょうは日米がともに、強く豊かになるための話し合いをしたい」
▼「このあと経済成長のための話し合いをしたい」

「中東情勢」に触れた直後に、世界の「安全保障」へとテーマを広げ、さらに「安全保障」から「経済」の話題に移っていきます。

最後に「経済成長のための話し合いを」と経済を強調することで、中東情勢から目を逸らせる思惑がみてとれるということです。

TBS報道局政治部 岩田夏弥 部長:
これは首脳会談での一番最初の高市総理の発言です。つまり、トランプ大統領が言い出す前に、自ら中東情勢について話し始めました。

日本側としては、カメラ撮影が許されるいわゆる“頭撮り”の部分で、トランプ大統領からイラン情勢に関して無理な要求をされてしまうと、非常に厳しい状況になりますから、それは避けたいはずです。

あえて高市総理から中東情勢について話し始めて、話を展開する中で「このあとは経済について話し合おう」と、トランプ大統領が元々関心が高い投資の話をしていきましょうと流れを作ったということでしょう。

井上キャスター:
日本政府がこの話の流れに持って行ったとき、トランプ大統領はどう思っていたのでしょうか。

早稲田大学教授 中林美恵子さん:
ホルムズ海峡の状況について、トランプ大統領がほぼ四面楚歌の状態の中、日本が来てくれて、何かしらコミットしてくれるというようなことを会見でトランプ大統領は話してます。

1、2日前に「約束が来た」「NATOよりも素晴らしい」とも発言しています。トランプ大統領の心の中には、それなりの期待、あるいは高いボールを投げて何が返ってくるかを見てみたいという本心もあったと思います。

しかし、これだけの公の場で、記者団がいる中で、そのすべてを表明することはトランプ大統領も遠慮したのでしょう。

だからこそ、高市総理は時計を4回も見て、カメラがない場所で話すフェーズに移りたいという気持ちがはやっていた。カメラの前ですから、どこでトランプ大統領の本音が出てくるか、常に心配する状況だったのではないでしょうか。

ひとまず表面的には抑えられたという、そんな冒頭だったのではないでしょうか。