発足から半年を迎えた高市政権。依然として高い支持率を維持する一方で、イラン情勢にかかる外交の重要局面、予算委員会で見せた体力面の不安、そして参議院という構造的なハードルなど、課題が次々に積み重なった半年でもあった。
政権発足前から高市氏を取材し続けてきたTBS政治部の大室裕哉記者と、この半年間における高市総理の“正念場”を振り返りながら、高市総理と周辺が見据える“その先”に迫る。
集中砲火の予算委に重圧の日米首脳会談―高市総理がくぐり抜けた難局
大室記者が「体力的な正念場」として挙げたのは2025年秋、臨時国会における予算委員会での審議だ。当時は衆参ともに少数与党で、予算委員長は立憲民主党の枝野幸男氏が務めていた。委員長の差配もあり、質問が高市総理に集中した。
高市総理は、大臣時代から各省庁が作った答弁書に自ら赤ペンで修正を入れるスタイルを貫いており、予算委員会が続く時期は徹夜もざらだという。日々、体力的に限界に近い状態で答弁に立っていたことが推察される。

3月12日の衆院予算委員会でも、終了後に席から立ち上がれない高市総理の姿をカメラが捉えていた。隣に座る片山さつき財務大臣と、医師免許を持つ松本尚デジタル大臣がすぐに駆け寄る様子も映っている。
この時は「風邪の疑い」だとして、委員会後に官邸で予定されていた中東の駐日大使を呼んだ食事会「イフタール」を欠席することに。持病のリウマチについて総理周辺は「気温や気圧次第で調子が変わるものの、普段は元気」と話しているが、夫の介護もしながら予算委員会に寝不足状態で臨んだことで疲れがピークに達していたと推察される。
「精神的な正念場」として大室記者が挙げるのが、3月にワシントンで行われた日米首脳会談だ。

元々この会談は、米中首脳会談を前に中国を含めた地域情勢の認識すり合わせや、新しい関税が日本に不利にならないように確認すること、さらに対米投資第2弾が主な議題だった。
しかし2月28日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで状況は一変。中東情勢が会談の最重要テーマに急浮上し、イラン攻撃後に世界で初めてトランプ大統領と首脳会談を行う立場に立たされた。同行団の一人は「日本を出発したときは宇宙戦艦ヤマトに乗った気分だった」と振り返るほどのプレッシャーだったという。
世界からも注目される首脳会談だったが、結果的に「アメリカが世界で孤立しそうな状況で寄り添った唯一の首脳」、「選挙で歴史的大勝を収めた強い首脳」の2つの要素が会談を成功に導いたと政権幹部は話す。首脳会談の同席者は「トランプ大統領は高市総理が選挙で大勝したことへのリスペクトを合計5回言っていた」、「内政の安定が外交の力になることを実感した」と話していたと、大室記者は振り返る。














