新しい挑戦を支える「失敗を補うインフラ」

富野監督の新しいニュータイプ像と社会論としてのインフラに対し、技術者である八坂氏もまた、別の角度から「インフラ」の重要性に共鳴する。

八坂: 私、そのニュータイプっていうのは知らなかったんですが、ちょっと勉強しました。私は、インフラというか、新しいものを支える基盤が技術的に必要だというふうに思い至ったことはあります。

というのは先ほど言ったように、アンテナの開発をやってましたが、宇宙で失敗することがあるんですよ。「これを直すにはどうしたらいいだろう」と思ったら「これがあれば直せる、これがあればできる」というのは分かる。

でも、それを宇宙で実現する技術的なインフラが当時1980年代は全くなかった。今もありません。

「新しい技術を実現するための基盤を作るっていうのが面白いんじゃないか」

やっぱりそういった新しい技術を実現するための基盤を作るっていうのが一つ面白いんじゃないかな、あるいは必要なんじゃないかなと思っています。

その思いが、私はニュータイプにつながるとは思わなかった。むしろオールドタイプかなと思ったんですけど、そういったいわば「新技術のための基盤インフラ」みたいなものがぜひ必要で、そこのところへ進んでいくべきじゃないかと思ったことはありました。

だから言われることは非常によく分かる。政治の問題までどう絡むかは分からないけど(笑)

富野: アニメというフィクションでものを全部考えていたからなんです。だから政治のリーチにまで届いたんですよ。リアルにものを考えていてると、政治評論家になっちゃうんです。政治評論家がやっているのは過去論で、未来論はほとんどないんです。