「宇宙からの視点」が分断を超える 米ソ対立の冷戦下、宇宙で起きたこと

話題は、「人と人とが理解し合うための道筋」に移る。対立と分断が深まる世界に対し、八坂教授は宇宙開発の歴史が持つ「希望」を提示した。

記者:今、対立や分断が目立つ世の中になってきています。ただ、宇宙ではISS=国際宇宙ステーションなどで世界的な協力がなされている部分もあると認識しています。人と人とが今の世界で理解し合うために、どんなアプローチが必要だというふうにお考えでしょうか。

八坂:私が非常に印象的だったのは、米ソの冷戦の時代に、実は宇宙でソ連の宇宙船とアメリカの宇宙船がドッキングしたことがあるんですよ。

それ自体すごいことだと思うんですけど、一体どうやってそんな冷戦の真っ最中にそういうことが起きたかっていうと、これは国際会議の場でエンジニア同士が話し合って、「おい、これはできそうだね」ということになったんですよ。

冷戦下のアポロ・ソユーズ計画について話す八坂氏

技術的にはいくらでもできる。それぞれの国に持ち帰って、上の方に話をして。「お、もしやれるんならやってみようじゃないか」そういう話まで行っちゃったんですよ。で、やったら実際うまくいった。

アポロ・ソユーズテスト計画(1975)アメリカとソ連の宇宙船がドッキング。アメリカの宇宙飛行士ドナルド・スレイトン(上)とソ連の宇宙飛行士アレクセイ・レオーノフ(下) 写真:NASA

あの冷戦の時代っていうのは、知らない人も多いかもしれないけども、米ソの対立がひどかったですからね。

その時にああいうふうに宇宙で握手したっていうのは、すごいことだと思う。技術者同士の話から、やってみようじゃないかという、そういうのが起きたっていうことは、すごく宇宙を象徴するような現象じゃないかと思いますね。