
昭和30年代以降、かつて日本の交通を支えていた地方鉄道が次々とその姿を消していきました。南熊本駅と砥用町(現・美里町)を結んでいた熊延鉄道(ゆうえんてつどう)もそのひとつです。
熊延鉄道は、1915年(大正4年)に営業運転を開始。路線距離は28.6キロ、17の駅がありました。当初は、その名の通り熊本と宮崎県の延岡を結ぶ計画でしたが、実現しませんでした。映像は1964年(昭和39年)3月、廃止の日の様子です。当時のニュースはこう伝えています。

「人々に親しまれてきた南熊本と砥用間を結ぶ熊延鉄道が3月一杯で姿を消し、31日、その廃止式が熊本市の大洋デパートに関係者200人を集めて開かれ、田添社長がお別れの言葉を述べました。この熊延鉄道は、大正2年に御船鉄道として発足、以来51年の永きにわたり、人々の足となって熊本県東部の産業発展に大きな功績を残しています。


終点の砥用駅でもお別れの式が開かれ、田添社長のお別れの言葉に続いて、この鉄道を我が子のようにかわいがってきた乗務員さんたちに花束が贈られ、長年のその労をねぎらいました。


このあと、砥用小学校のブラスバンドに送られながら、最後の列車は50年の歴史と沿線住民の郷愁をのせて、うららかな春日和のもと、静かに走り去っていきました」

資料によれば「御船鉄道」が発足したのは1912年(大正元年)だとされているので、「大正2年」という当時のニュース原稿は誤りだと思われます。













