物価や賃上げにも影響懸念

エネルギー価格が高騰すると、当然物価にも影響がある。消費者物価は今のところ落ち着いてきてると言われているが、また上昇するリスクも出てくる。

<2026年1月 消費者物価指数>
▼生鮮食品除く:前年同月比2.0%
▼生鮮・エネルギー除く:2.6%

『東短リサーチ』社長 加藤 出さん:
「特に最近は日本企業がコストの上昇を販売価格に転嫁する傾向が、円安の時などでも堅調に出ている。なので今回も、円安+原油価格上昇で、4月以降、新年度入り後のいろんな値上げが結構増えるのではと心配」

原油高で懸念されるインフレの再加速が、春闘で高まる“賃上げムード”に水を差しかねない。

<春闘賃上げ率>
▼2024年【全体5.1%】【中小組合4.45%】
▼25年【全体5.25%】【中小4.65%】
▼26年要求【全体5.94%】【中小6.64%】
※連合5日発表

26年の春闘の焦点は「物価上昇に追いつく賃上げ」だが、経済団体のトップは…

『日本商工会議所』小林 健会頭:(5日)
「実は憂慮している。戦争が始まる前は相当強い賃上げのモチベーションがあった。経営者の心理から言えば、こういう場合は様子を見ようということになりかねない」

――今、日本では実質賃金のプラス化が一番の焦点。物価が落ち着いてくればプラスになると期待されているが、物価が上昇する、名目賃金も予想ほど上がらないとなると、実質賃金のプラス化が遠のく

『東短リサーチ』社長 加藤 出さん:
「ガソリンの暫定税率を廃止したり、消費税の食品の部分をゼロにするという議論が実現化してくれば、表面上は物価の上昇率が下がるので26年は一時的には実質賃金がプラスになるのではと期待されていた。ただ、このオイルショック的な動きでさらに値上げが増えると、実質賃金プラスが遠のくリスクが少し出てきた」

1994年~24年の30年間で「各国の実質賃金の推移」を比べると、アメリカやヨーロッパの主要国は実質賃金を大きく伸ばしているのに対し、日本はほぼ横ばい状態だ。

『東短リサーチ』社長 加藤 出さん:
「これは結構根が深い問題。ガソリン暫定税率廃止とか、消費税を下げたらいいとかそういう問題だけではなくて、日本企業の生産性をより高めて給料を払える企業をどれだけ増やせるか、あるいは企業の労働分配率をいかに高めるかなど様々取り組むべき大きなテーマがあると思うが、なかなか一朝一夕に行く話でもない」

構造的に実質賃金を上げる対策をすべき時に、「今、実質賃金を上げないといけないから景気を刺激すべきだ」というような議論になると矮小化されてしまう恐れもある。