■窃盗罪についての裁判所の判断
さらに、カネを奪ったことについても裁判所は毅然とした判断を下しています。
令和7年1月16日、被告は死亡したEさんのキャッシュカードを使い、ATMから現金16万円を引き出しました 。この行為について、弁護側は「所有者(被害者)の了承があった」として窃盗罪の一部無罪を主張していました。
しかし裁判所は、口座名義人が死亡した場合、金融機関は相続手続が終わるまで取引を原則停止することに着目しました。
たとえ生前に名義人本人の承諾があったとしても、死亡後に「相続人とは無関係の第三者が、相続人の関与なく当該口座から現金の払い戻しを受けることは一切許容しておらず」、正当な払戻権限がないと判断しました。そのため、現金を引き出す行為は「金融機関の意思に反するもの」であり、窃盗罪が成立すると認定し、弁護側の主張を退けました。














