京都大学がキャンパス周辺に立てられた看板、通称“タテカン”を撤去したのは、表現の自由の侵害などとして、京都大学職員組合が大学と京都市に550万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で大阪高裁が組合側の請求を退けたことを受け、組合側が3月7日に上告しました。

 かつて京大のキャンパス周辺に置かれていた色とりどりの立て看板、通称“タテカン”。サークル活動の勧誘や学祭の告知など、様々な内容がユーモラスに描かれ、京大の名物となっていました。

 しかし、2017年、景観維持のために屋外広告物を規制する条例に違反するとして、京都市が京大を行政指導したことを受け、京大がタテカンを撤去。

 京大職員組合が「表現の自由」を侵害しているなどとして、大学と京都市に550万円の損害賠償を求めて提訴しましたが、一審の京都地裁は去年6月26日の判決で、「条例に基づく撤去は都市の良好な景観の維持及び向上を図る目的として合理的かつ相当な手段」などとして組合側の訴えを棄却、組合側が判決を不服として控訴していました。

 今年2月26日の控訴審判決で、大阪高裁の長谷部幸弥裁判長は
「組合側は伝統的に表現活動や人々の意見交換の場となってきた施設であることを前提に、いわゆるパブリックフォーラムとしてそのような施設においては可能な限り表現の場を確保するよう配慮すべきである旨を主張する」
「しかし、広く一般の表現活動や人々の意見交換の場となってきたとまで認めるに足りる証拠はない」と指摘。「撤去行為は、敷地に対する管理権に基づき、円満な管理状態を実現する目的で行われた必要かつ相当な行為で、違法であるとはいえない」
などとして、一審判決を支持し、組合側の控訴を棄却しました。



 組合側は判決を不服として、3月7日付で上告しました。