■第91回全日本フィギュアスケート選手権大会(24日 大阪・東和薬品RACTABドーム)

全日本フィギュアは女子シングルのフリースケーティング(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(22)がフリーでも会心の演技を披露し2連覇を達成。ISU(国際スケート連盟)非公認ながらSPに続き、フリー(155.26点)、合計(233.05点)ともに今季世界最高得点をマークした。SP2位から逆転を狙った三原舞依(23)は惜しくも初優勝には届かず2位、ジュニアグランプリファイナルを制した島田麻央(14)がSP4位から順位を上げ3位でフィニッシュ。

この日、坂本は最終滑走で登場。冒頭のダブルアクセルを成功させると、3回転ルッツ、3回転サルコウは危なげなく着氷。コンビネーションスピンではレベル4を獲得し、3回転フリップからの連続ジャンプも高さをみせた。得点が1.1倍になる後半は、3回転フリップー3回転トウループを決めると、ダブルアクセルから3連続ジャンプ、最後の3回転ループも着氷しジャンプは全て降りた。今シーズン一番とも言える演技も、落ち着いた表情で会場の声援に応えた。

優勝を決めた坂本は「ジャンプがやっと揃えられて、マックス自分ができることができた。終わった時はキツくてガッツポーズできる余裕がなくてそこまで出し切れました」と自身でも会心のフリーを振り返った。さらに演技直前で“ライバル”三原が高得点を叩き出し「(三原の)点数だけは聞こえてきて、コーチから“かおりもやればできるから”と言われた。やる気にさせてくれた三原の演技のおかげでこの演技ができた」と語った。「今年はうまくいかないこともたくさんあったから昨年とは違う意味での優勝で、3月までは最高の世界選手権を迎えられるように頑張りたい」とさらなるレベルアップに向け意気込んだ。

GPファイナルではSP首位からフリーで三原に逆転された坂本は、全日本開幕前の練習後に「今シーズンは散々な結果が多くそれはGPファイナルで終わりにしたい」と語り、この日は有言実行の演技をみせた。今大会は来年3月に行われる世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)の代表選考も兼ねており、選考基準にも含まれている全日本優勝を果たした坂本はひと足早く代表内定を手にした。