「目の前で起きること全てがフラッシュバックとかトラウマを抱えてしまいそうだった」
Q.実際骨折の診断が出ての心境ってどんな感じでした?
平野:ケガすること自体は初めての経験でもないんで、そうだよなっていう。骨折してるときの症状も何となく身体のフィーリング的に、折れてるか折れてないかとかの感覚がずいぶんわかってくるようなところもあって。何もなかったら奇跡だけど、この状況で荷物も持てなくて、歩けなくてトイレもいっぱいいっぱいでってなって、俺の想像してる通りの、診断結果だったので、「まじか」っていう気持ちともう笑うしかないようなところもあって(笑)ここで何かさらに試練を与えられたなみたいな。でも自分の気持ち的にも、「ケガで終わりました」は嫌だったので、最初は乗り越えるのが本当にしんどかったんですけど。鼻も骨折してて呼吸ができなかったり、そういう生活だったのでもう頭おかしくなりそうだった。鼻の骨折が意外と一番痛くて、気づいたらめちゃくちゃ涙が溢れ出てくるぐらい。すぐオリンピックも控えてたので、本当に目の前で起きることが全てフラッシュバックとかトラウマを抱えてしまいそうだった。股関節もだし、膝ももうありえないぐらい腫れてて、一気に3か所だったんで、普通じゃいられなくて。数日間で2週間ぐらい経過してるんじゃないかっていう気持ちで本当につらかったです。
Q.よく戻ろうと思いましたね、本当に。
平野:でも結構気持ちはポジティブに持っていないとなっていうのはあったので。トイレに行くのもしんどいのに、ケガしてないって思わなきゃみたいな。正反対の気持ちを浮かべてキープしていかなきゃみたいなのは・・・この期間でそれだけの怪我が、過去にないことだったんで、ポジティブに言うとこれをいい経験として自分のストーリーとしてもいい方向にドラマを作り出したなみたいな。ここまで来たらもう面白くなってきたなとか、そういう方向にでも持ってかないと、ポジティブな気持ちはなくなってしまうので、そこは結構自分の中で振り絞りましたね。

Q.昔からよくケガしたときこそ、スノーボードを考える時間をもらえてるみたいな前向きな捉え方をしてましたけど、今回はそれどころじゃないところもあるのかなとか思ったけど、どうでした?
平野:いや結構前向きだったと思いますよ。気持ちを落とすことだけは絶対にしないようにと思ってたので。本来だったらスノーボードのことで頭いっぱいになってたり、身体の疲労と闘ってたりして、客観視ができない状態になっていたと思うので、客観的に今の自分の状況とか周りの状況とかを見られてる時間をもうプラスに捉えるしかなかった。あとはもうこういうタイミングでこういうことって気を付けてても起きるんだなとか、今までの人生の中でもなかなかこんなことないよなってぐらい過酷なタイミングだったんで、人生に結びつけるしかないなというか。スノーボードどうこうというよりも、自分の人生にとってこれを良い経験にしていくことしかプラスに捉えることはできないなと思ってた。人として生きてる上で、何が大事なことなのかとか、周りの力がなかったらやっぱりそこまで上がってこれなかったと思うんで。普通の人が経験できないことを経験させてもらってるなっていう感覚で自分を維持してたところは、今後の人生を踏まえても、一つの大きな経験だったのかなって。

















