「滑り終わった瞬間から次のこと考えてました(笑)」
Q.改めて今回の大会を終えて、多分メダル以上の価値がある瞬間だったのかなっていう気もするんですけど、どうですか。
平野:(過去大会と比べて)今はレベルも全然違うので、競技にかけるリスクも違ければ、さらにそのときはそれがマックスだと言われてて、その次の北京ではこれがマックスだと言われて、今ではトリプルコークを2回、もしくはこれからは3回になってくる。そういう段階になってきてやっぱり限界はないなって感じさせられますし、その中で自分がトップを目指してやる以上は、4年なのか8年なのかって積み重なった年で、そのさらに上のことにチャレンジしなきゃいけないっていうことになってくると、今回は何か終わって生きててよかったなって。そういう心境の違いはすごい大きいかなと思っていて、そのときよりもいろいろ今の方が難しいチャレンジだったと思いますし、競技のレベルもそうですけど、技術レベルというか大会自体のレベルがもうどんどん上がってきてるので、それぞれが自分にプレッシャーかけて、人生削って、今までやってないことにもチャレンジして体鍛えたりとか。いろんなことを踏まえて、ストレス溜めてここまで来てると思うんですけど、オリンピックが終わって、怪我なく無事それぞれが終われただけでも何か今まで以上の解放感があるというか。かなり命がけでそれぞれやってるんだなって見ている人にも伝わった瞬間だと思いますし、生きるか死ぬかみたいなトリックを最後繰り出してたので、本当ここで怪我してもう動けなくなってもいいやぐらいの覚悟は持ってましたし。怪我しなくて本当に無事滑り終われて、悔いなくいい経験ができたなっていうそれに限りますね。でも今回いい試合でしたね、面白い試合だったなと思いますね。
Q.すごい面白かったですよね。
平野:みんなが溜め込んで溜め込んでやってきたことが全部滑りとして出た。最高峰のレベルだったし、誰が勝ってもおかしくない、誰が怪我してもおかしくないというか、決勝のメンツも全員揃ってたんで。また次もすごいことになりそうだなと思いつつ(笑)いろいろ覚悟してやる以上はやっていかないとなっていう。いい経験でしたね。
Q.もう次の気持ちには切り替わってると捉えていいですか。
平野:滑り終わった瞬間から次のこと考えてました(笑)でもこの競技を続けていくことが全てでもないなとかっていう。ジャッジの部分でも、何か新しいことやっても本当にそれが確実に評価されるかわからない。採点の中でも、すごい独特な難しい競技なので、それにこれだけの命をかけて、4年かけていくことがいいのか、もしくは自分の違った人生の中で新しくチャレンジしていった方が自分にとって面白いのかとか。いろいろ先のことに関しても、これが全てじゃないなって同時にすごい感じるところまでは今レベルが上がってきてますし、次の4年は思いだけじゃなくてさらに命がけだと思う。でもやっぱここでチャレンジすることは自分を成長させてくれるなって、できる限りチャレンジしたいなっていう気持ちもあるので、すぐ練習に戻ってちゃんとまたこの経験もプラスに生きるようになるべく早めに開始していきたいなとは思ってます。
Q.毎回トラブルがあって、それでも戦い続けて、成長していって。平野歩夢にとってオリンピックは改めてどんな舞台ですか。
平野:4年っていう時間で区切られてるんで、その4年でどれだけ自分が成長できたかってわかりやすく、自分に返ってくる時間の一つなのかなとも思いますし。あとは普段自分も見慣れないような日本を代表する公式のウェアを着てたり、オリンピックのルールがあったり。毎回特別な思いを感じる場なので、結構自分の中では工夫というか、自分の世界観をそれに負けないぐらい作っていくことがすごい大事。そこで誰もが金メダルを狙ってる世界なので、みんなが負けず嫌いの塊だと思いますし、プライドの塊みたいな選手がトップクラスで集まってる場所なので、それで一番は1人しかいないってなかなか残酷。全世界が注目している場なので、そこで自分が一番って証明したいところですよね。やっぱり採点競技で、サッカーとか野球みたいにわかりやすい採点じゃないので、そこもまた難しいなとは思いますけどね。「グラブ」「高さ」「技」とか伝わりづらい競技なので、もう生きざまを見せるしかない。それだけの思いがある場所で、自分を一番と証明できる世界一の舞台なんじゃないかなっていうのは間違いなくあると思います。

















