グリーンランドとウシュアイアの共通点

トランプ政権の地政学的発想は北極にも及び、“グリーンランド領有”問題はヨーロッパとの緊張関係が高まっている。気候変動によって海氷が減少した北極海航路のアクセスが飛躍的に改善した。アメリカは資源開発や航路確保の観点から、ロシアや中国の活動拡大に対する警戒を強めている。

グリーンランドで行われたトランプ政権に対する抗議デモ

北極圏のグリーンランドと、南極への玄関口であるウシュアイア。一見無関係に見える二つの地域は、「極地をめぐる戦略拠点」という点で共通している。

南極では1961年発効の南極条約により、軍事活動や領有権主張が凍結されている。しかし、国際秩序を支えてきた枠組みが大きく揺らぐ中で、今後も現在のルールが維持される保証はない。

マーティン教授は、各国が“万が一“に備えた場所取りを始めていると分析している。

「勢力圏は地理だけで決まるものではない。もし南極が西半球安全保障の一部として認識され始めれば、政治的な意味は大きく変わる。国際秩序が弱まる中で、現在の状況がいつまで維持できると誰が断言できるだろうか。条約は“紙”にすぎず、関係国が順守する意思があって初めて機能するものだ」