マルコじいさんとの出会い
ドイツからパリへ戻る途中のブリュッセル駅で、また怪しいおじいさんに遭遇しました 。彼は列車の中で私の前に座り、「お前は家出をしてきたんだろう! 母親がどれだけ悲しんでいるか想像しているのか!」と説教を始めました 。私が「母に行けと言われて来ました」と説明しても、「そんな嘘が通るか!」となかなか信じてくれません 。
しかし、私が絵描きになりたいと言ってヨーロッパへ来たことを話すと、そのおじいさんは「1ヶ月もいてイタリアに行かないのか! 全ての道はローマに通ずるんだぞ。書いておけ!」と怒り出しました 。
このおじいさんはマルコさんというイタリア人の陶芸家でした 。彼は「お前の母親に、お前が無事に帰ったという証拠の手紙を書かせろ」と住所を渡し、結局その後、私の母とマルコさんは文通仲間(メル友)になりました 。
ルーブル美術館でモナリザを見たときは、人の多さに圧倒されましたが、それよりも2000年前のギリシャ・ローマ彫刻が並ぶ展示室に入ったときの方がショックでした 。先生は「表現なんて金にならない」と言ったけれど、2000年経ってもこれほど多くの人を感動させ、大きなお金も動かしている。これを作った人たちの中には、いろんな人たちがいるけれど、残したものは多くの人の役に立っている 。その光景を見て、「何も無駄なことじゃない」と確信し、反対されても絵を描き続けようと決意しました 。














