積極財政 か 財政規律か…「政府債務対GDP比率」から考える

この二つの考え方の違いを理解するには、単なる感情論ではなく、経済を捉える「算数」と「時間軸」の視点が必要です。

議論の土台となるのが「政府債務対GDP比率」という指標です。これは、国の借金の総額(債務)が、その国の経済規模や稼ぐ力(GDP)に対してどの程度の大きさかを測るもので、いわば「年収に対するローンの割合」のようなものです。

日本の「政府債務対GDP比率」は主要先進国の中で際立って高く、250%近くに達しています。これを「借金が多すぎて危険な水準だ」と見るか「稼ぎを増やせば解消できる数字だ」と見るかによって、捉え方が変わってきます。

この比率は分数で表されるため、分母である「GDP」を大きくして比率を下げるのか、それとも分子である「債務(借金)」そのものを抑制して小さくしていくのか、といういわば「算数的なアプローチ」の選択が議論の核心となっているのです。