ウクライナ情勢です。南東部の要衝マリウポリでは、ロシア側がウクライナ兵に要求した投降の期限が過ぎました。ウクライナ側は徹底抗戦の構えを崩しておらず、ロシア側は攻勢を強めるとみられ、さらなる被害の拡大が懸念されています。
ウクライナ北東部ハルキウ。救助隊員たちがけが人を手当てし、担架で運ぼうとしますが・・・
砲撃の音が街に響き渡ります。被害は幼稚園や病院にも出ていて、ハルキウ州の当局者はロシア軍の攻撃により5人が死亡したとしています。
ハルキウ市 テレホフ市長
「ハルキウにはもはや、完全に安全な場所はないため、人々を“より危険でない場所”に移動させています」
南東部マリウポリ。焼け焦げた建物や破壊された車、そして路上に残された遺体の数々から、ここでも激しい攻撃があったことがうかがえます。
ロシア国防省はマリウポリに残るウクライナ側の兵士に対し、日本時間きのう午後7時までに武装解除し、投降するよう要求。
一方のウクライナのシュミハリ首相は、ロシア側が示した期限後に出演したアメリカのテレビ番組で「最後まで戦う」と強調しました。
ウクライナ シュミハリ首相
「まだマリウポリは陥落していません。現時点で我々の兵士はマリウポリにいて、最後まで戦います」
また、クレバ外相はマリウポリについて「レッドライン=超えてはならない一線になるかもしれない」と指摘。
ゼレンスキー大統領がこの前日に示していた「ウクライナ側が全滅の場合はロシアとの停戦交渉が中止されるだろう」との考えを改めて示しました。
一方、ロシア軍はウクライナ側が拠点としていた製鉄所について「最大400人の外国人傭兵がいる」とし、「抵抗が続けば全員殺害することになる」と警告しています。
また、ロシア通信によりますと、親ロシア派の指揮官は“マリウポリでの投降の提案が拒否された”として、再び戦いが始まったとしています。
ゼレンスキー大統領はロシア軍が近く、東部での攻勢を強めるとの見方を示しています。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ロシア軍はマリウポリを破壊しているように、ドネツク州とルハンシク州の街やコミュニティを全滅させようとしている」
その上で「防衛を確実にするために全てのことを行う」として対決姿勢を強調しています。
キーウ(キエフ)周辺への攻撃も続いていてキーウ近郊ブロバリの市長はインフラ施設が攻撃を受けたと明らかにしています。
こうしたなか、ロシアによるウクライナ侵攻後、西側の首脳としてプーチン大統領と初めて対面で会談したオーストリアのネハンマー首相が会談の一部を明らかにしました。
オーストリア ネハンマー首相
「プーチン氏は戦争に勝っていると信じている」
ネハンマー首相はプーチン大統領について「ロシアの安全保障のために戦争が必要だと考えている」とも指摘。
会談の最後にドイツ語で「戦争が早く終わるに越したことは無い」と話したことも明らかにし、プーチン大統領がウクライナで起きている状況を把握していると思ったとしています。
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