重視すべきは「責任」ある積極財政か

井上貴博キャスター:
経済は非常に複雑で一筋縄ではいかないと思いますが、バランスが非常に重要だと感じています。

高市総理がよく話す「責任ある積極財政」。しかし、責任を果たせていないとマーケットが見ているため円安が加速しているわけです。

野党は、「積極財政」ばかりになっています。選挙に勝つためには、ポピュリズムが必要だということは分かります。また、消費税減税を掲げないと、今は勝ち目がないのだろうということも何となく分かります。

円安を是正することこそが、物価高対策に繋がるという部分の議論がストンと抜け落ちてしまっていて、株高もいいですが、議論がそういう部分にいきすぎているのではないかという危うさを感じます。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
日本が輸入で食品やエネルギーを買っている限り、ますます物価は上がるに決まっています。

さらに円安が進むと、「オーストラリアに働きに行かざるを得なかった」という若い方のように、どんどん日本から出て外で稼ぐようになるか。

留学して、外国で高度な知見を身につけて帰ってこようとしても、とある大学の学長によると、アメリカに留学しようとしても1年間で500〜1000万のお金がかかるので、専門課程の学生は留学に行けない。

日本が将来維持していけるのか。目先の選挙に勝つためだけに、積極財政と言っていますが、本当は「責任」ある積極財政ということに重点が置かれるべきです。

外国のメディアや投資家は、実は「責任」という方に目を向けていて、「積極財政」の方にはあまり関心を示していないと思います。

井上キャスター:
「日本の失われた30年と違うことをしなければいけないから積極財政」という理論も分かります。やはり「積極財政」に付随する「責任ある財源」を、どのように説得力を持って各党が主張しているのかということを、しっかりと見ていく必要があると改めて感じています。

==========
<プロフィール>
出野陽佳
TBS報道局経済部 日銀/金融担当
海外旅行を計画も円安に戦々恐々

堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BS-TBS「報道1930」ニュース解説