深さ6000mからどうやって採る?採鉱大作戦

ジャーナリスト 大谷昭宏氏:
そもそも、1900㎞も離れた海底6000mにレアアースがあると、なぜ分かったんですか?

内閣府プログラムディレクター 石井正一氏:
2000年頃から国際海洋科学掘削で、日本やアメリカなどの先進国で太平洋の科学掘削をやったんです。何十本も採りまして、それを東大とJAMSTECの先生方が分析したところで、存在が明らかになりました。

6000mは、スカイツリーの高さの約9.5倍です。
この深さから、どのように泥を採取するのでしょうか?

©SIP/JAMSTEC

まず、10mのパイプを600本、船の中でつなぎながら6000m下まで降ろしていきます。
そして、先端にある採鉱装置で吸い上げるのですが、海上の船は波や風の影響で動いてしまいます。GPSの位置情報や風速計の情報を船内のシステムで自動計算し、船底のスクリューを調整することで船の位置をキープしていたそうです。

さらに先端にある採鉱装置にも驚きの仕組みがあります。
泥の中に埋められた装置の中にはプロペラ状のものが付いており、これを回して泥をかくはんします。そこにパイプで上から海水を勢いよく流し、その圧力で6000mの高さに泥を引き上げていくのです。

©SIP/JAMSTEC

内閣府プログラムディレクター 石井正一氏:
これは海洋石油天然ガスで使われる技術を使っておりまして、閉鎖空間を作って、そこで海水を中の細い管で入れ、スラリー状態になったレアアース泥を船上にあげる。
石油天然ガスの技術をしっかりと応用した形の技術展開を、私どもチームが考えてやったということですね。

この「閉鎖型循環方式」は、海底の泥の巻き上げによる生態系への影響を最小限に抑えられるというメリットもあります。

恵俊彰:
確かに、深海魚とか生き物がたくさんいますもんね。

©SIP/JAMSTEC

石井正一氏:
深海は真っ暗な世界で、1平方センチに600キロの圧力がかかっているわけですね。
装置が着底したときには泥が巻き上がりますが、これも数メートル以内ですぐ沈下します。そして深海魚が泳いでるのが見えるということは、海洋環境を破壊しないということです。