今回の衆院選で各党が競うように掲げる「消費税の減税」。今の負担が減るのは魅力ですが、将来の年金や医療が削られる恐れもあります。投票前に知っておきたい消費税の減税について考えます。

【買い物客は】「食品は助かりますよね]
【買い物客は】「食料品ゼロになったら嬉しいですね。一定の期間だけでもなってくれたらありがたいなと思いますけど」

スーパーの買い物客が期待を寄せるのは各党が掲げる消費税の減税をめぐる公約です。

店舗側も消費者の購買意欲に繋がると喜びを口にします。
【いちまん 高井栄二朗 店長】「本体価格のみで販売できるってことなので、お客さんにとっても喜ばしいことだし、うちとしてもどんどん売っていきたい気持ちも湧くし、いいことかなと思います」

ただ、手放しでは喜べません。理由はレジのシステムの更新です。もし、消費税が減税となれば、1台当たり7万円の更新費が必要と見込まれ、あわせて35万円ほどの費用がかかります。

さらに…
【いちまん 高井栄二朗 店長】「値段を出すポップの設定も変えなきゃいけないんで、3000から5000くらいはあると思うんで、それも2年間って話になると、やるかどうかの判断もそこから」

事業者を悩ませる消費税の減税。では、私たちの負担軽減はどれぐらい期待されるのか。新潟大学の根岸睦人 准教授は低所得階級の方が軽減率は高くなる傾向にあるといいます。
【新潟大学 経済科学部 根岸睦人 准教授】「収入に占める負担軽減額を率で見た場合には低所得階級の方が軽減率は高くなる傾向があります。一方、負担軽減額、実額で見た場合には、高所得階級の方が負担軽減額は当然大きくなります」

総務省の家計調査から根岸 准教授が出した試算によりますと、食料品の消費税がゼロになった場合、一か月当たり低所得世帯ではおよそ2600円、高所得世帯でおよそ5300円、平均するとおよそ4000円の負担軽減が期待できるとしています。

【新潟大学 経済科学部 根岸睦人 准教授】「幅広い世代や所得階層が共通して支出するものを対象としているので、減税の影響も幅広い世代と所得階層に及ぶことが考えられます」

ただ、有権者からは減税を不安視する声も…
【買い物客は】「そういう影響が社会保障とかに関わってくるから、なんとも言えないところありますよね」

【買い物客は】「無くなるのはいいんだけど財源どうするんだろうね。かえって駄目になるんじゃないだろうかね」

【買い物客は】「廃止してもらえればありがたいですけど、財源の方が気になっちゃって、続くのかなと心配です」

気になる財源。食料品の消費税“だけ”がゼロになった場合、毎年およそ4.8兆円の税収が失われることになります。一律5パーセントなら15.3兆円、全ての消費税撤廃なら31.4兆円規模です。

消費税は社会保障の財源に充てられているため、年金や医療、子育て支援などのほか、財源の減少という形で地方自治体にも影響を与える可能性があると根岸准教授は指摘します。

【新潟大学 経済科学部 根岸睦人 准教授】「減税によってそれ(社会保障)が損なわれてしまう。そうすると制度が不安定化する恐れがありますので、これが潜在的ですけれども非常に大きなデメリットと言えると思います。我々がその負担を軽減してもらえるというメリットとともに、その財源問題というデメリットもあります。この両方を合わせて本当に望ましい政策であるかを判断する必要があります」

減税の財源策についてどう言及しているのか、各政党の訴えを知り冷静に見極める必要がありそうです。