「食料品の消費税ゼロ」で飲食業界が危機に?

井上キャスター:
こうした中、衆院選を前に与野党で浮上した「食料品の消費税ゼロ」に、飲食業界からは心配の声が出ています。

食料品にかかる消費税をゼロにするということは、消費税率8%がかけられているお弁当やお惣菜などの食料品に関しては、ゼロにするということになります。

外食は消費税率10%がかかっているので、差が拡大することになります。

野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏によると、「外食は客足が遠のき、一定程度の打撃を受けるのではないか。顧客を逃がさないため、値段を少し下げざるを得ないという店が出てくる可能性もある」と話します。

中室さんは「食料品の消費税ゼロ」と「外食の消費税」との差をどのように考えますか。

慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
今、外食の倒産が増えているのは、物価高ということもありますし、人手不足ということもありますが、コロナ禍の後に消費者行動が結構変わったんじゃないかなと思います。

要は、コロナ禍の前までテイクアウトやデリバリーをあまり使わなかった人が、コロナ禍を経て、デリバリーなどを使うようになって、コロナ禍が終わった後も使い続けているというようなことです。

なので今回、消費税率が外食と弁当・惣菜で変わるということになると、これが時限的な措置であったとしても、消費者行動が変化することは避けられないのではないかと思います。

出水麻衣キャスター:
変わるというのは、やはり弁当・惣菜の方に流れやすくなるということですか?

慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
そうです。それで元に戻ったとしても、消費者行動の変化というのは、直ちに元には戻らないということなのではないでしょうか。

井上キャスター:
週末の党首討論でもありましたが、「外食産業への手当はどうするか」と聞かれたとき、高市総理は「これからみんなで考えましょう」と話しました。

政府として、飲食産業を救うための手立てやできることは何が考えられますか?

慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
外食産業を救済しなければいけないかということも政策的議論になると思いますが、そもそも「軽減税率」自体が妥当なのかということについては様々な議論があります。

実は、軽減税率が導入されるときに多くの経済学者はこれに反対していました。

「税というのは、やはり中立・簡素・公平であるべきものだ」ということがあるのにもかかわらず、我が国の税制というのはあまりにも複雑になりすぎてしまっています。

消費者も混乱するのではないかと思うので、私は一旦、中立・簡素・公平という税の原則にちゃんと立ち戻って、消費税の減税について各党で考えていただきたいと思います。