アメリカ挑戦に寄せる期待「日本もプロ化への道が開けたら」

カナダでの経験を経て、里は今夏に控えるアメリカ挑戦に強い思いを抱いている。「アメリカで女子プロ野球が成立することで、日本もプロ化への道が開けたらいい。最終的には、ワールドカップ以外にも国際試合の機会が増え、日本と世界各国の“プロ同士”が対戦する世界を見てみたいです」。

その根底にあるのは、女子野球を「心を動かす競技」として届けたいという思いだ。「初めて女子野球を見る人が、『面白い』と心を揺さぶられるのか、それとも『楽しそうだね』で終わってしまうのかでは、全然違う。初めて見た人や、久しぶりに野球を見に来てくれた人に、心が動かされる印象を与えられるかどうかが、すごく大事だと思っています」。

そのためにも、里は誰もが見て分かる“女子プロ野球”という舞台で、同じ志を持つ選手たちとともに戦うことが欠かせないと考えている。「同じ意識を持つ仲間が広がってくれたらいい。アメリカでプロ野球ができるというのは、見れば分かる形で示されるもの。プレーだけでなく、選手の姿勢や覚悟も含めて、女子野球の魅力を伝えられたら」。

里自身、プロリーグが消滅した経験を通して考え方が変わったという。「(野球をする)環境があったので、与えられた環境の中でプレーしていましたが(ライオンズ・レディースに入団して)3年ほどだった時に、野球をしながら自分のことだけではなくて、『野球を通して里綾実という人間が世の中に何を伝えられるんだろう』ということを考えるようになりました」。シーズンオフには野球教室やイベントを開催し、野球の魅力を伝える取り組みを行っている。「野球を通して社会に貢献することが一つ。そして次世代の子どもたちに私の経験を伝えることで、夢や希望を持ちながら様々なことにチャレンジしていって欲しい」。

今回のアメリカ挑戦は里にとっても未知の世界となるが「今までやってきたことを思いっ切り出し切るしかない」と話す。最後に、思い描く理想の光景を語った。「いつか女子野球の試合を満員の球場でプレーする日を夢見ています」。女子野球の未来を見据え、里の挑戦は続いていく。