辛抱が必要だった?「もしもこの世が舞台なら…」

影山 お金と時間をたっぷりかけた三谷幸喜さんの「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(フジ)ですが。

倉田 第1話からいろいろな登場人物がにぎやかに出てきて、三谷作品らしさを感じながら見始めました。

渋谷が舞台で、もとはストリップ劇場だったところに演劇の演出家の菅田将暉さんがやってきて、シェークスピア劇を上演する。舞台好きにはたまらないんじゃないかと思いつつ、舞台を見慣れていない人は見づらいかなと思いました。

1980年代という時代設定で、三谷さんご自身もこういう若き演劇人として活動してきたのかと興味深く見ることもできました。

ただ、疑問に思ったというか、本当にこうなのかと思ったのが演出家の横暴ぶり。80年代だからなのか、今も一部ではそうなのか、その辺が見る人を選んでしまう懸念が残りました。80年代を描く上で嘘は描けないのかとも思いますが、難しさがあったと思います。

田幸 三谷作品は回を重ねるごとに尻上がりにおもしろくなっていく傾向がありますが、この作品はそれが極端に出ていました。

第1話はお祭り騒ぎで、いろいろな人が入れかわり立ちかわり出てきて、誰が誰だか何だかわからない。設定も全くわからないし、物語がどこに向かうのかもわからない。誰にも愛着を持てない状態を延々とやって、ラスト15分がおもしろかったのです。

第2話もラストの10分15分でガッとおもしろくなる。最後の方になればおもしろくなるし、回を重ねていくとおもしろくなるけれど、そこまでを長く感じてしまう。

このつくりそのものが演劇に近いと素人考えながら思いました。演劇は会場へ行くと、おもしろくてもそうでなくても逃げられません。最初はあまり説明もされなくて何だかわからなくても集中して見る。そうしているうちに物語や人物が見えてきて、おもしろくなるパターンが多い。

しかしこれは、テレビドラマとしては結構ハードルが高い。第2話ぐらいで脱落した人が周りにも多い印象でした。

辛抱して見ればすごくおもしろかったし、中盤からワクワクする要素も入ってきたので、やはり序盤に、普段演劇を見ない人にも見やすい仕掛けが必要だったかと思います。