「ちょっとだけエスパー」が描いた残酷さ
影山 野木亜紀子さん脚本の「ちょっとだけエスパー」(テレ朝)の評価はぜひ聞きたいところです。
田幸 私がびっくりしたのが第2話です。今回は笑えるトーン、楽しい雰囲気で行くのかと思いきや、ちょっとしたかけ違いが死につながってしまう。よかれと思ってやったことが死を招く残酷さをいきなり描いた。これって野木さんだな、残酷だな、うまいなと思いました。
倉田 画家の話ですね。画家をやめようかという岐路に立っている人がいて、一生画家でいたいとも思っている。そこでちょっとだけエスパーを持った人たちがかかわって、ちょっとしたことをした結果、一生画家でいられるとなった瞬間にその人は亡くなってしまう。確かにそこで死ねば一生画家でいられたことになるわけですが、すごく皮肉で重い。
田幸 あと、ディーン・フジオカさんが、花を咲かせることができるという、のんきな、どうでもいい能力を持っていると思っていたら、それは意外にも恐ろしい力だということが後にわかる。
その設定のうまさと、ディーンさんでなければ出せない、大らかで、のんきで、ちょっとおとぼけっぽくて、でも危ない力も持っている。そのキャスティングのうまさにうならされました。
影山 それから、メジャーとは言えない枠でしたが「生放送まで30分」(テレ朝)というテレビ業界ドラマがありました。おもしろかったのは、同じシーンを何人かの別々の視点で描くんです。
深夜の生放送のスタート30分前という設定で、いろいろなハプニングやトラブルが起こって、笑いもあって考えさせるところもある。アシスタントディレクターの視点で第1回目を終えたら、第2回目はアイドルのマネージャーの視点で見る。同じシーンだけど、誰をメインで描くかで見え方が変わってくる。さらにテレビ業界自身が「皆さん、こんな業界どうですか」と視聴者に提示しているのがユニークでした。














