2025年夏の記録的な暑さで乾燥が進んだか

──天候も影響しそうですね。

(東洋産業 大野竜徳さん)

「本来であれば、早ければその年のうちにススキやササがほぼ復活する場所もありますが、2025年の夏は記録的な暑さでした。

火災によって植物が失われたことで地表の乾燥が進み、もともとの水分不足に高温が重なった結果、植物が定着しづらかったのではないかと推察されます。

また、植物の根が枯れたことで斜面の安定性も低下しています。
地面が緩み、落石や土砂崩れが起きやすい状態になっていると感じられ、防災・治山の観点からも引き続き注意が必要な段階です。

ここでひとつ補足しておきたいのが『火入れ(野焼き)』の意義です。
古くから行われてきた野焼きは、ススキが火の後に強力に再生する性質を利用し、他の植物の侵入を防ぎながら良質な草原を維持するための知恵でした。

ただし、山林や原野で管理されずに発生する火災は話が別です。
再生の途中段階では、可燃物の増加など、別のリスクも生じます。

現在は植物が少なく燃えるものも限られていますが、今後ススキやササ類が回復し、それが再び枯れると、非常に燃えやすい環境が形成される可能性があります。
この点は今後の大きな課題となるかもしれません」