集団移転に加わらない住民も
一方で集団移転には、加わらないという住民もいる。水道は通っていないが、自宅を修理して住み続けると話す。

移転しない住民
「やっぱりお金ね、家建てるんなら、例えば2000万とか3000万円かかる。家をちょっと直すか、水の段取りさえできれば、そんなに使うことはない。そして、稲舟町捨てたくないし、いたいしやっぱり」

移転しない住民
「住みます。次を建てないかんもん。もしここを捨てれば建てないかん。家壊さなあかんし」
――井戸水でしのぐ?
移転しない住民
「井戸水か。どこか水を汲んでくる。ホースで繋いで、タンクあるんです。そこに入れてという感じ」
――ここで生活をする?

移転しない住民
「その覚悟はあります。決めたんです」
2025年12月、歌見さんは、避難先で離れて暮らす住民を集め、総会を開いた。

輪島塗 塗師 歌見さん
「整備するという話は難しいんじゃないか」
集団移転に絡んで、先祖代々守り続けてきた「共同墓地」について話し合われた。
集団移転後も元の場所に残るが、修復や墓地に続く道路の整備費は誰が負担するのか、議論となった。

住民会議
「共同墓地の道とか、折半して半分出すというなら、そういう方向性で考えるし、そこを示してもらわないと、俺もいつまで生きているかわからんし、方向性を示してほしい」

住民
「道整備して、墓地どうのこうのってでかい金になる」
「道を直さないと、墓は直せない」
「絶対直せないことはないけど、自己負担や全部」
離れがたいふるさと、複雑な思いを抱えながら安全な場所に移る「集団移転」を選ばざるをえなかった。

輪島塗 塗師 歌見さん
「生きてきた証っていうものは、一切奪われてしまったわけだから、とにかく生きていかなければならない」

















