能登半島地震から2年。石川県輪島市で地震と豪雨の被害を乗り越え、営業を再開した民宿がある。店主は、客足は少しずつ戻りつつあるが、まだ本格的な観光需要の回復には至っていないと不安の声を漏らした。

「温泉が戻らない」復旧を拒む壁

創業約60年の民宿「お宿 たなか」。輪島市の朝市通りにも近い立地で、温泉や能登の食材を使った料理で、多くの観光客から人気を集めた。宿は地震と豪雨の二重災害を経験しながらも、なんとか営業再開。しかし、大きな魅力のひとつだった温泉は、いまだ再開の見通しが立っていない。

お宿たなか 田中孝一さん(62)
「源泉が出ているところの深さが足りなくなったので、もう少し深く掘り直さないと温泉は出ない状況。県に申請を出しているが、まだ許可が下りないので、保留になっている状況なんです」

再び温泉を汲み上げるには掘削工事が必要だが、県から工事の許可は下りぬまま。宿の努力だけではどうにもならず、現在は水道水で湯を沸かし、風呂の提供を行っている。