寿司のマチ、北海道小樽市で、北海道では珍しい本ワサビの栽培が始まりました。栽培の背景には、生産者が抱く気候変動への危機感があります。

髙橋智也 記者
「おいしいお刺身。そして欠かせないのが素材を引き立てるワサビです。実は今、意外な場所でワサビの生産が進んでいます」

本ワサビは、きれいな沢がある山の中での露地栽培が一般的ですが、ここは何と、小樽市の市街地、日本海沿いにある工場で栽培しています。
香港出身でオーストラリア国籍のラム・キンハン社長は、2025年10月から、この場所で本ワサビの栽培に取り組んでいます。

北海テクノロジー農業 ラム・キンハン 社長
「通常ワサビは、収穫まで2年ほどかかるが、ここでは半分の1年程度に短縮できる。害虫や病気の発生リスクも抑えられる」

本ワサビの苗を植えた工場内にきれいな水道水を循環させ、LED照明で光の量を調節。温度や湿度を適度に保つことで、山の中のような自然環境に近づけました。
本ワサビは涼しい気候を好むため、気温が低い北海道であればエアコンにかかる電気代を節約できるメリットもあります。
最新技術の粋を集めた小樽産本ワサビの味は…。

高橋智也 記者
「爽やかさが口の中に広がって食べやすいですね」

オーストラリアで農業経営を学んだ社長は、海外でサクランボの栽培などに挑戦しましたが夏の熱波や少ない雨に悩まされた経験を活かし、独自の屋内栽培システムを開発しました。

北海テクノロジー農業 ラム・キンハン 社長
「屋内であれば気候に左右されず、安定的に供給できる。将来的にはワサビだけでなく、他の作物も栽培できるよう応用したい」
海外はいま空前の「日本食ブーム」。

多くの外国人観光客が訪れる寿司のマチ・小樽にビジネスチャンスを見出した社長は、ワサビ工場の見学ツアーなどを通して日本や北海道の食文化を広めたいと意気込んでいます。














