面会のための手引き

幕田稔の母トメ

幕田の生家に残された資料の中に、スガモプリズンの面会申込書があった。所定の用紙で未記入のものに記入例や面会手続きの手順が記された、手作りの「手引書」のようなものだ。用紙には「面会は近親者一人満30日に一回許されます」と印刷されている。裏には東京行きの汽車の便や、外務省までの地図が鉛筆で書かれている。外務省は田町駅の近く、外観が黒い日産ビルの三階になっていた。

汽車については「23時20分山形発の奥羽線だと翌朝9時30分上野着で、これだと8時30分頃外務省に出頭するには前日から行かなければならず不便あり。山形から乗り換えて仙台発19時50分の常磐線だと5時10分に上野に着くので、この汽車ならば東京に一泊する必要がない」と丁寧に案内されている。

面会の手順としては、申込書を外務省に送ると出頭の月日が電報で送られてくる。資料の中に1947年10月24日の面会決定を告げる電報があった。