初公判近づく 弁護人決定のハガキ

幕田家にあった幕田稔大尉の写真

10月24日、5回目の面会から2週間ばかりが過ぎたころ、トメの元に、東京の弁護士からハガキが届いた。

<幕田トメへ 湯川忠一弁護士からのハガキ>1947年11月6日
前略 甚だ突然ながら申し上げます。私は今度、横浜第八軍裁判所よりマクタミノル様(原文ローマ字の為)の戦犯事件に関し、官選弁護人に選任せられましたから、全力を尽くして御本人のために奮闘する覚悟でおります。つきましては、事件に関し有利な証拠(文書、日記等)及び証人があれば御申出くだされたく、又御上京の折があれば、お目にかかりたく存じます。なお、公判は来る11月21日に開始される予定ですから、申し添えます。


湯川弁護士が弁護人となったこと、初公判が11月21日の予定であることを知らせるハガキだった。(実際の初公判は11月26日)息子の面会に通っていたトメは、きっと初公判の法廷にも行きたかったと思う。湯川弁護士のハガキには、上京の折には会いたいとも書かれている。しかし、このころ幕田家は窮状に陥っていた。