■甚大な被害が… でも「人とのつながりで生きている」ことを実感

【記者リポート】
「川の堤防が一部崩れているように見えます」

すぐ隣の関川村も被害は甚大でした。そのひとつが鷹ノ巣温泉・喜久屋です。

当時、大雨の脅威は建物のすぐ側まで迫っていました。


【鷹ノ巣温泉 喜久屋 小山泰喜さん】
「堤防が決壊して、露天風呂が流された」

雨で荒川が増水し、堤防が一部決壊。川沿いにあった露天風呂に濁流が押し寄せました。この時、年末までに300件ほどの予約が入っていました。

【鷹ノ巣温泉 喜久屋 小山泰喜さん】
「営業が年内無理かなという状況で、キャンセルをお願いできませんか。大変申し訳ございません」

「(Q 応援や心配の声?)常連の方は特に『何かあったら言ってください』と。旅館のものはみんな不安がっているので心強いし、頑張ろうと思う」

高齢者施設では職員の素早い判断が命を守りました。

【ケアハウスせきかわ 平田千代子さん】
「皆さん、鍵かけて寝ているので、鍵を開けて起こして2階に誘導してくださいと」「1時半くらいだったんですけど、水があがってきたという…」

歩けない入所者は職員がおんぶ。水に浸かりながら無我夢中だったといいます。

【入所者をおんぶした職員】
「恐怖というか夢中だったので、恐怖と言ったら川みたいに流れがあって。ただ溜まっているんじゃなくて。怖いといった利用者さんもいて、それでも無理やり連れて行かないと。命の方が大事なので」

お盆休みを利用してボランティアも駆け付けました。


【ボランティア】
「自分たちはある意味で“災害体験者”って言ったらいいんですかね。3・11の時に僕が小学校6年生で、その時に茨城県だったので、家じゅうの瓦が全部落ちちゃったんですよね。その時に助けてもらったので、その恩返しですね」

住宅の床下にある泥を吐き出していきます。

【住民 須貝圭介さん】
「本当にあの…生きている以上みんなと人の繋がりで生きているってことを、あらためて感じました」


厳しい作業が続きますが、休憩中には笑顔も。

【ボランティア】
「びっくりしたのは“笑顔と涙”しかないっていうね。明るいんですよ、現場がものすごく明るい」

【須貝圭介さん】
「全く例年とは違う、そしてボランティアの皆さんも同じように、このお盆を返上して来てくださっているので、本当にありがたい」



9月30日までのおよそ2か月間で、村上市と関川村でおよそ7300人のボランティアが復旧作業にあたりました。

こうした中、少しづつ復旧の兆しが見えてきます。