2022年8月に村上市や関川村を襲った豪雨について、各地の被害とそれを乗り越えようと奮闘する住民の4か月を振り返ります。

■“記録的豪雨” 『記録的短時間大雨情報』は16回も
村上市小岩内。11月19日、今も避難指示が続く集落で1人の住民の姿がありました。

【松本安一郎さん】
「この家とも…もうお別れだ…」

松本安一郎さん、90歳。
あの日、大雨の被害にあった自宅は、まもなく取り壊されます。
【8月の気象庁の会見】「新潟に1時56分に大雨特別警報を発表しました」

【記者リポート】
「打ち付けるような強い雨が降り始めています」

「こちら道路が陥没しています」
「住宅の前の車が濁流に飲み込まれています」
「住宅の1階に土砂が入り込んだように見えます」
子どもを抱きかかえボートで避難をする女性や救急隊員におんぶをされて傷ついた集落を離れる女性。
2022年8月3日、夜遅くから村上市や関川村など下越地域で大雨が降り続きました。
同じ場所で次々と雨雲が発生する「線状降水帯」。
数年に一度程度しか降らないはずの大雨の『記録的短時間大雨情報』は4日の朝にかけ16回も発表されました。午前3時ごろまでの3時間で、関川村で観測した323・5ミリは8月1か月で降る平年の雨量の、実に1.5倍でした。

記録的、そして歴史的な大雨は県内およそ2400棟の建物に被害をもたらしたのです。
8月6日、私たちは自宅が激しい被害を受けた松本さんと出会いました。
【松本安一郎さん】
「砂がたまったのはここまで。水がここまで来てね。これは(土を)とったあとも大変ですわ、これ。土取るの」
松本さんが暮らす小岩内集落は土石流に巻き込まれ6棟が全壊。
80代の男性が足の骨を折る重傷を負いました。